2018年09月16日

2扉転クロ! 115系3000番台

 今回は数ある115系(新製車)の中でも異彩を放つ3000番台についてです。
 115系3000番台は、1982年11月ダイヤ改正を控え、広島地区の増発に向け編成単位を6連→4連に短縮し、同時に老朽化した153系を置き換えるべく登場しました。1982〜1983年の間にクハ21組42両、モハ12ユニット24両の計66両が新製されました。
 従来の115系との違いや特徴は
・前面窓ガラスの支持方式が金属押さえ金
・パンタグラフ(PS16)2基搭載
・117系に準じた2扉車体、転換クロスシート(ドア付近と車端部はロングシート)
・塗屋根で通風器やランボードは201系と同様
・千鳥配置の側面行先表示器                    etc… 

201系などの当時の最新系列に準じたマイナーチェンジが行われたようです。もはや別形式…。
 塗装はクリーム1号を下地に青20号の帯。いわゆる「瀬戸内色」です。帯は塗装工程省力化のため塩化ビニールテープが採用されました。
 配置は全車が下関運転所*でした。1982年度製造分はオール3000番台の4連が6本24両、下関所の111系6連の4連化で捻出したモハと4連を組むクハが15組30両で、前者は冷房車、後者は非冷房(冷房用電源すらない)かつ車齢の高い111系と当面組むことになる*2 ため、冷房準備車*3 とされました。具体的には、屋根の将来クーラーを取り付ける部分を塞ぎ板で塞ぎ、冷房ダクトを設置済み(扇風機併用)としました。翌年には一部編成の冷房化のためモハ6ユニット12両が増備され、オール3000番台12本、混結9本となりました。増備はここでおしまいです。
 ちなみに、新製回送時の編成は、初め3回は冷房準備クハ2両に冷房車4連2本を挟んだ4M6Tの10両編成でした。それ以降は、クハ(3010〜3021、3110〜3121)は115系(4M2T)6両又はクモヤ90形・111系(5M1T)6両を、1983年度製造のモハ(3007〜3012)は115系(2M2T)4両を控車として回送されました。
 その後、JR化までに111系との混結編成についてはモハの115系化*4 とクハの冷改がなされました。余談ですが、広島地区から撤退した111系のクハは網干、大垣を始め各区に転属しました。先頭車不足が深刻だったのでしょうか…。さて、JR化後の1992年には宮原区から117系改造の115系3500番台モハが4ユニット転属し、3000番台クハと編成を組みました。さらに2001年に宮原区の117系300番台から3ユニットが3500番台として転用され、3扉モハに3000番台クハの編成は2編成のみとなりましたが、2015年にその2編成の3000番台クハ4両全てが廃車されたため、2018年現在活躍するのはオール2扉車の編成のみとなっています。下は登場時とJR化直後の編成表です。(国鉄/JR電車編成表より)

2018-09-15 (2).png
 
 塗色は、1993年以降は3000番台を含む編成全てが瀬戸内色から白地にグレーと5色の帯の「広島快速色」へ、さらに2004〜2008年度には30N体質改善工事によって白地に茶色と青帯の「広島更新色」へ変更されました。オリジナルの瀬戸内色はもう拝めないのか…と思いきや瀬戸内色の3扉車と組む3000番台未更新クハが2005年に広島快速色から瀬戸内色に復活。当時の広島地区は塗装がバリエーションに富んでいたんですね。なお、2018年現在は2010年以降の単色化で見事に全編成が末期色濃黄色と化しています。

115右.jpg


115左.jpg

広島更新色(上)と末期色(下)(たこちゅう氏より拝借)

 体質改善工事についてですが、同僚の2000番台などとは違い、座席はほぼ新製(3500番台は改造)当初のままです(トイレ横の座席は撤去)。そのほかは前面窓ガラスの一体化やドアボタン設置など、一般的な30Nの施工内容です。

車内.jpg


ドアボタン.jpg

3500番台体質改善工事車の車内(上)と同番台に設置されたドアボタン(下)(投稿者撮影)

 227系投入によって2016年3月ダイヤ改正より岩国以西に運用範囲が縮小し、今後の動向が注目される3000番台ですが、最後の1両が引退するその時まで、元気に走り続けて欲しいものです。
 末筆ながら、平成30年7月豪雨で被災した地域の復旧と不通路線の再開を願っています。

* 現:下関総合車両所運用研修センター。3000番台は一時期広島運転所に転属したが2018年現在は全車下関所属。
*2 3000番台は111系と混併結可能な設計。
*3 将来容易に冷房化出来るよう準備工事が施行された車両。
*4 非冷房モハと組んだ時期もあったようだが、1987年4月1日時点では全て冷房車となっている。

参考文献
鉄道ピクトリアル1986、vol.36、No.2、通巻No.459(電気車研究会)
        1986、vol.36、No.9、通巻No.469(電気車研究会)
        2009、vol.59、No.7、通巻No.820(電気車研究会)
鉄道ファン1982年12月号(交友社)
国鉄電車編成表‘83年版(ジェー・アール・アール)
       ‘84年版(ジェー・アール・アール)
JR電車編成表‘87年版(ジェー・アール・アール)
      ‘90年冬号(ジェー・アール・アール
      ‘91年夏号(ジェー・アール・アール)
      ‘08年夏号(ジェー・アール・アール)
J-train 2017年秋号 通巻68号(イカロス出版)

posted by TRFC at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | あおば
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/184434060

この記事へのトラックバック